オーストラリア海外教育研修から帰国

2020年2月16日~3月9日の期間で、オーストラリア・アデレードにて海外教育研修が行われました。

 

本学副学長 児童教育コース 教授 後藤さゆり先生引率のもと、3名の学生がオーストラリアにて教育研修を行いました。以下、引率の先生からのレポートです。

 

第1部

2月17日に南オーストラリア州アデレードに到着し、約3週間の研修がスタートしました。この研修のメインは現地の小学校で日本を面白く深く理解してもらう授業を英語で行うことです。来週からの2週間で合計15時間程度、約600名の児童に授業を行う予定です。

まず、今週はThebarton senior collegeで2日間、オーストラリアの教育システムや教育方法などを学び、これから実践する授業について英語表現を中心にトレーニングを受けました。また、研修校はUN Global Peace Schoolでもあり、アフガニスタンやシリアなどからの多くの難民を受け入れており、多様な英語プログラムを実施しています。生徒の学びと教師の授業マネージメントを考察し、効果的な教育の在り方についても議論しました。

3日めは、近郊にあるCleland Wildlife Parkでコアラに触れたり、カンガルーなどに餌をあげるなど、オーストラリアの自然に触れ、その後ドイツ人入植地のハーンドルフでお昼を食べて村を散策しました。

第2部

2月24日(月)〜28日(金)で、3年生から6年生の授業、計12時間を担当しました。

授業のテーマは”Having Fun in Japan”で、東京や大阪という有名な都市だけでない日本の魅力を、7つの都道府県で紹介しました。高学年では、日本を訪れたことがある児童が各クラスに複数いてとても身近な国である一方で、中学年では訪れた児童がまだいないために、いつかは行ってみたいあこがれの国として認識されていました。全体を通して、北海道で流氷やアザラシを見てみたい、三重で伊賀忍者になってみたい、福井で恐竜の骨を発見してみたいという意見がめだちましたが、私たちの大学のある群馬県の温泉も人気でした。

また、授業中に折り紙の手裏剣を紹介したところとても人気で、お昼休みに急遽折り紙教室を開催し、多くの児童と一緒に折りました。一人で折れるようになるまで、4〜5個も折ってマスターする児童もいて、折り紙の魅力を再発見することができました。

週末には、日本語補習校を訪問後、歴史的な図書館や、博物館を訪れ、アデレードの魅力をさらに学びました。

最終週となる今週は、公立校2校で実践を重ねる予定です。

第3部

3週間にわたる研修が終了しました。最終週は、IB(インターナショナルバカロレア)のプログラムを実施している公立2校を訪問し、授業見学と授業実践を行いました。月〜水曜日に訪問したローズパーク小学校は、アデレード市の中心街にあり、児童はとても自律的に学習に取り組んでいるのが印象的でした。その理由として、IBプログラムの様々な取組が大きな効果を上げているように感じました。ランチを人気のカフェが運営しており、私たちもおいしいランチをいただくことができました。

一方、コロマンデルヴァリー小学校はアデレードヒルにあり、校庭にコアラが遊びに来るとても恵まれた環境にある小規模の小学校です。IBプログラムに則り、SMART(Specific Measure Achieve Real Time)の目標を教科ごとに児童が自分で設定し、その達成に向けて教師が丁寧にフィードバックして支援するという小規模だからこそできる素晴らしい教育を実践していました。日本語クラスを担当している山本先生の高い教育への志にも感銘を受けました。

この研修では3校の小学校で実践することができましたが、それぞれの児童の実態に即して授業の構成を柔軟に変化させる力もつき、手ごたえのあるとても充実した時間を過ごすことができました。

アデレードという自然豊かな美しい街での生活も満喫し、実り多い研修を終えることができました。