学生レポート

カナダ語学研修

カナダ・バンクーバー 短期語学研修

「英語コース学生 1年」

1.はじめに

今回の研修は、私にとって初めての海外渡航であり、現地での生の異文化交流ができた貴重なものとなりました。出発前は不安と緊張、楽しみなど様々な感情でいっぱいでした。そんな中で私はこの研修をするにあたり、「たくさんの人と会話をし、異文化交流、異文化理解をする」、「いかなる時でも失敗を恐れずにとにかく英語オンリーに努める」という目標を持って挑みました。これらの目標をもとに、今回のカナダ一か月研修で私が体験した出来事と、それについての考え方や感想を述べていきます。

 

2.体験談

今回私が訪れたのは、カナダのバンクーバーという都市です。日本からは飛行機の直行便で約9時間の道のりです。カナダは多文化社会であり、色々な人種の人がたくさんいました。特に多く見かけたのはアジア圏の人々です。日本人も多くいました。多文化国家のため、街を歩くと英語だけではなく様々な言語を耳にし、なんだか不思議な気持ちになり、とても興味深かく感じました。

 

・学校生活

学校は、ダウンタウンにあるILACという語学学校に行きました。世界各国からの学生を受け入れている学校で、様々な国の人がたくさんいました。私が最初に入ったクラスには、ブラジル、フランス、イスラエル、イラン、韓国、中国、台湾、日本からの学生がいました。皆私よりも年上でしたが、英語を勉強する者同士として温かくフレンドリーに接してくれました。英語には敬語のようなものがないため、気軽に話すことができて気持ち的に楽でしたし、英語のそういった所にも改めて魅力を感じました。クラスはレベル別で、初日のオリエンテーションで受けたテストの結果をもとに分けられました。私は、レベル4,5の中級入門のレベルからのスタートでした。

学ぶ内容は、教科書に沿って中学英語の振り返りをして、グループやペアを組み、様々なアクティビティを交えて文法理解を深めるという実践的なものでした。クラスには、「授業中は英語のみ。母国語禁止。」というルールがあり、とにかく英語漬けでした。そのルールがあったので、言いたいことをいかに分かりやすく相手に伝えることができるのか、英語をいかに使いこなせるのか、毎日毎日自分の英語力が試されました。初めは緊張していましたが、環境に慣れていくうちにだんだんとコミュニケーションが取りやすくなりました。「失敗や間違えを恐れずにとにかく自分から話しかけてみる、質問をする。」というのを心に置いて、日々チャレンジしました。クラスの友達とは、世間話やお互いの文化の違いについて話したり、母国語を教え合ったり、好きなものについて話したりしました。話の内容もそうですが、話し方や、リアクションの取り方など、色々なことが日本と違っており、話していてとても楽しかったです。

少人数で、小規模なクラスであったため、先生と生徒の距離がとても近く、発言もしやすい環境でした。また、先生も生徒も皆明るく元気で、いつも笑顔の絶えないクラスでした。海外の学校ならではの雰囲気があり、とても有意義に過ごすことができました。

・ステイ先

ホームステイ先はバンクーバーから車で40分ほど離れた郊外のDeltaという町です。閑静な住宅地で、とても穏やかな街並みでした。ホストファミリーはカナダの方で、4人家族のもとに受け入れていただきました。受け入れていたのは私だけではなく、ブラジル、イラン、日本からの学生もいました。私を入れて計8人での同居生活でした。さらに犬も3匹いて、私にとってはとても嬉しいお宅でした。ステイ先でもカナダ人以外の人と異文化交流ができて楽しかったです。

食事は、朝はセルフで、用意されているシリアルやパンなどを各自で調理して食べました。お昼と夕食は用意していただきました。海外の食事には少し抵抗がありましたが、思っていたイメージとは全然違って、とてもおいしかったです。パスタやラザニア、お米、チキンなど様々なものを日替わりで出していただきました。

とある日の休日には、私から提案させてもらって、日本から持参した習字セットを使って習字を体験してもらいました。特にブラジル人の子がすごく興味を持ってくれ、楽しそうに筆を動かしていました。その光景を見て、やってよかったなと、とても嬉しい気持ちになりました。そんな中、言葉の壁があることや書道の魅力をどのように伝えればいいのかということにつまずいてしまい、教えることの難しさを痛感しました。もう少し日本で下準備をしっかりとしておくべきだったと少し後悔しました。しかし、自分の特技である書道を通じて日本文化を伝えることができて嬉しかったですし、すごく貴重な経験ができたと思います。

今回滞在したホームステイ先は、とても親切で明るいホストファミリーや学生と出会うことができ、たくさん会話をすることができてすごく楽しかったです。当たりはずれがあるといわれているホームステイですが、私の初めてのホームステイはとても良い環境で良い人に恵まれたものだったと思います。

・交通機関

ホームステイ先からバンクーバーのダウンタウンにある学校まではバスと電車を乗り継いで約1時間かけて通いました。バスは15分おきに来る市バスで、降りる時はボタンだけではなく、黄色い紐を引っ張って停車の合図を出しました。そしてほとんどの人が帰り際には必ず“Thank you”とドライバーさんに声をかけて降りました。このような光景はあまり日本では見かけないものであり、カナダ人の人柄が伝わってきました。電車は5分おきに来るスカイトレインというものを利用しました。この電車はコンピューター制御の無人で動いているものであり、遅れることがなかったため、時間に心配することはありませんでした。

バス、電車ともにコンパスカードという定期券を使用して乗り降りしました。運賃はゾーンによって変わります。1~3ゾーンに分かれていました。バスは一律1ゾーン分の料金でした。カナダの公共交通機関は、電車、バスのほかに、海を渡るシーバスという船や、フェリー、タクシーなどがありました。海外の公共交通機関はあまりきれいなイメージがなく、治安が悪いのではないかと思っていましたが、カナダはとてもきれいに清掃されており、安全でした。

・観光、グルメ

滞在中は、観光もたくさんしました。バンクーバー国立美術館やヴァンデューセン植物園、キャピラノ吊り橋、スタンレーパーク、ディープコーブ、グランビルアイランドなど、様々な場所に行きました。友達と行くこともありましたが、ほとんどは一人で巡りました。中でも私が好きになったのは、ガスタウンです。有名な蒸気時計を見ることができて感激しました。また、レトロな街並みに趣を感じました。ディープコーブという場所もまたとても良かったです。片道約1時間のハイキングコースを歩き、たどり着いた場所は、断崖絶壁の大きな岩で、そこから見える景色が絶景でした。私が行った場所はどれも有名な観光地で、観光客がたくさんいました。そのため、行く先々で色々な人とお話をしました。「どこから来たの?どのくらい滞在するの?」など、とにかく今ある自分の英語力を存分に使い、会話をしました。日本のバラエティ番組で有名な芸人の出川哲朗さんの出川イングリッシュを見習って、片言ながらも積極的に話しかけたり、挨拶をしたりしてみました。アジア人は海外の人にどのように見られるのだろうかと少し不安でしたが、話した人は皆すごく親切でフレンドリーでした。また、道が分からない時は携帯で調べていましたが、聞いたほうが早いと思い、道行く人に声をかけて教えてもらいました。カナダの人はとても優しくて、丁寧に道案内をしてくれました。その対応は私が抱いていた不安を消し去り、カナダの人の温かみを生で感じることができてとても感動しました。

観光巡りをしつつ、カナダグルメも堪能しました。Tim Hortonsというカナダで有名なコーヒーショップのドーナツやティーラテ、グランビルアイランドのポットパイ、ガスタウンのアイスクリーム、日本人経営のラーメンやジャパドッグ、ハンバーガーやプーティンなど、とにかくどれも絶品でした。カナダには多文化国家ならではの、各国の幅広いジャンルの食べ物がたくさんありました。

3.おわりに

今回、初めて海外に行ってみて、たくさんの“初めて”を経験することができました。また、たくさんの国の人と繋がることができて本当に楽しかったです。一か月はあっという間で、もっといたかったなと感じるほどに、カナダという国を好きになりました。英語力はほんの少しだけ上がったのではないかと思いますが、それ以上に、行く前と比べてとても積極的になることができたと思います。「失敗を恐れない」ということをモットーにとにかく英語を使い、その中で英語を話すことの楽しさを改めて感じました。異国の地に慣れ、現地の方とこんなにも話すことができるとは思ってもいなかったので、自分の英語力やコミュニケーション力の伸びしろに驚きました。短い間でしたが、本当に貴重な体験ができました。今回の経験は今後の自分に大きな影響を与えるものとなったと思います。また、この経験をこれからの学びに活かしていきたいと思います。